2011年11月11日金曜日

2011年の終焉に。

夏が過ぎ、秋が色めく木々を連れて今年も訪れたかと思えば、ここ数日で冬の到来を感じさせるような気候になった。秋は最も僕が好む季節で、いつも秋を基準にして季節を過ごしている。

秋が来ると、不思議と安堵を感じる。それは、移り行く自然の色付けの美しい変化からか、灼熱の太陽に照りつけられた夏という季節への嫌悪からか、またそれに浮かれた人々への軽蔑からか…とにかく、この季節は一番、抒情的で何を見ても何かを感じ取れる。

夏には、決して1年を振り返ることはない。1年の半分以上を過ぎたというのに、大抵の人は、夏こそ1年のうちで一番楽しむべき季節なのだと思っている。そして、9月、10月と時間が経ち、空気が澄み、上着を羽織るころには人々は時間の経過の早さに焦燥し、何となく1年を振り返る。

僕は、夏が嫌いだ。今年はいけると思ったが、少しは好きになれると思ったが、やっぱりだめだった。毎日毎日夏が過ぎ去り、秋の涼風に吹かれ燃えるように色めく木の葉の中を闊歩する自分を想像しながら過ごしていた。

ようやく、秋が来た。待ち望んだ秋だ。

しかし、他の季節に比べて、秋はとても短い。実際秋を五感全てで感じ取れる期間など2週間もないのではないだろうか。その儚さは、春のそれと少し、似ている。

そんなわけで、僕は日々元気に過ごしている。

そんなわけで、次回11月21日(月)が年内最後のライブとなった。以下、詳細。

11/21 (月) @下北沢 ERA
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1800yen (adv.)

The Golden Murphy’s /
blaudrops /
SHELTER /
やまみ (after the greenroom) /
imi/pop

その次のライブは、1/25(水)を予定しています。新曲発表会になるので、是非、是非、是非来て頂けたら、と思う。

それにしても寒い。だが、嫌いじゃない。もっと寒くなれ。

2011年10月8日土曜日

またまたご無沙汰と一カ月。

すっかりご無沙汰になっておりました。

9月の頭に最後にライブをしてから早一ヶ月が経過しました。この一ヶ月間は、二人とも多様に多忙な日々を過ごしており、再び10月17日@新宿Nine Spicesへと向けて始動した次第であります。

僕個人のこの一カ月の経過を少しお話させていただくと、様々に変化が起こった一か月でした。

様々な意味で、対人関係に変化がありました。多かれ少なかれ、それは僕に大きな影響を残して、今はかつての時間をちょっとした感傷を伴って思いだすのです。人間世界で生活する以上、人との付き合いは必須で、人間的に生きていくことのある種の根底であると言えるでしょう。どんな人であれ、自分の人生に登場した人との関係の変化は自分の生活に影響を与えるものだと思います。

住み慣れた家を離れました。荷物を全てトラックに積み、長年の汚れを落とし、ふと床に腰をおろして天井、壁、ドア、窓、クローゼット…いつも何気なくそこにあったもの達に目をくれてみると、どの部位にも思い出が詰まっていることに気付きました。彼らは、ここで起った様々な事を全て傍観していたわけだし、「常にそこにいること」で僕に、気付かないけれども不思議な安心感を与えてくれていたのだから、この家を出て行きたくないような、そんな気持ちにさせられました。ドアにカギをおろしたとき、涙はでなかったけれど、心が沈んでいくような、一つの物語が終わっていくような気がしました。

この一カ月の間、すごく喉の調子が悪く、悩んでました。歌い手としての最低限の歌唱法と喉のケアの方法を目下勉強中であります。喉の調子が悪いというか、ずっと風邪気味です。



ということで、とりあえずのライブ告知です。


10/17 (月) @新宿 Nine Spices
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1500yen (adv.)

10/31 (月) @下北沢 ERA
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1500yen (adv.)


なんだか感傷的になってきたので、寝ます。最近心がとても弱くて嫌になります。

2011年8月13日土曜日

成果の実感まで数百マイル

8/9(火)下北沢ERAに来ていただいたお客様、本当にありがとうございました。また、対バンで一緒になったバンドさん、お疲れ様でございました。特にDinnerさん!前回見たときより数倍かっこよくなっていたので、正直あせりました。またどっかで対バンしたいですねー。

ここ数カ月くらい目下ボーカルトレーニングに励んでいるわけですが、練習のときにはなんとなくできても、やっぱり本番では思うように声がだせない日々が続いており、ちょっと落ち込み気味です。相方いわく、腹筋をすることでうまくコントロールできるようになるらしいとのことだったので、腹筋ははじめてみたものの、やはり毎日声を出すことが大切なのではと思って、できるだけ毎日歌うようにしております。

毎日の積み重ねしかないんですね、こういうことは。

きっと9/1(木)@下北沢ERAでは、相当な進化が見せられる…と思いたいんです。

なのでみんな、遊びにおいでよ!冷やかしにおいでよ!


最近ちょっと元気なさげなので、ちょっと実家帰って富士山でも見て英気を養ってこようと思います。


えーじ

2011年7月26日火曜日

ああ、なるほど

なぜ長期間ブログを放置してしまったのかがわかった。
最後の投稿からしばらくして、僕はノートを購入したのだ。これに日々思った事を不定期につらつらと書き、感情吐露の場所として使っていたのだ。以前はここをよくその場所に使っていだが…

今までの投稿をざっと読み返してみると、あまりに個人的な内容が多い。ここはバンドのブログである事を念頭に、今後更新していきたい。

とはいえど、更新ネタがつきたら、また私的感情大爆発させちゃうんだろうけどね。


では。


えーじ

ご無沙汰

どうも、ご無沙汰してます。
いつものブログ、ミクシー、ツイッター等々リアルタイムの情報を提供できる素晴らしい場を全く活用しない私たちです。

兎にも角にも、まずはライブ告知だー!

8/2 (火) @新宿 Nine Spices
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1500yen (adv.)

8/9 (火) @下北沢 ERA
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1800yen (adv.)

以上、2本が決まっております。

前々回あたりのライブからいらっしゃってる方はお気づきかもしれませんが、
歌い手である僕に変化が生じました。
確かに日焼けのせいで念願の黒人ルックには近づいたのではありますが、
そこではありません。

歌い方をちょっと変えてみたのです。

優しい相方や周囲の方々からは僕の苦悩を察してか、ありがたいお褒めの言葉を頂く機会が多いように思います。

まあ百聞は一見にしかずです、その耳でお確かめあれ。
バックトラックもより無機質で不快ながらも別世界への誘いの香りを漂わせてきております。




ここからは、また別の話。


民主政権誕生からもうしばらく経つけど、ようやく岡田幹事長が、選挙時のマニフェストと実際の政権運営における差異を認めたとのことで、なんだか怒りよりも失笑をもらしてしまった同じ日、いつものように仕事の休憩中に散歩に出かけた。

最近つげ義春さんの作品にとことんはまっており、つげさん関連の本を見つけるとついつい買ってしまう。ちょうどその日も散歩中に自主企画機関誌や超マニアックな思想本などを多数扱う本屋に立ち寄った際、つげさんの作品を収録した文庫を購入し、缶コーヒー片手に御苑前にてページをめくっていた。新宿御苑が閉園し、人通りのすくない御苑周辺の路端で読むつげ作品は格別の味わいがある。その日買った本のなかでも一番気に入ったのは、「夜が摑む」という話で、最後数ページの寂寥感は、僕が音楽で表現したい様に非常に近いものが描かれている。「外のふくらみ」という話も気に入った。

すると、そこに腰掛けた時は気づかなかったのだが、そこにはもう一人、僕と同じように本を片手に座り込んだ人がいた。深く帽子をかぶり、分厚いハードカバーの本を一心不乱に読みふけっている。僕は普段読書をする他人にそれほど注意を払うことはないが、このときばかりは気になって仕方がなかった。なぜか。彼の隣には、青いシートにくるめられた大きな荷物があった。彼はスラックスに暗い色のシャツといったなりをしていたが、その様子は薄汚れていた。察するに、彼はホームレスだったのだ。

ホームレスが読書とは、あまり見慣れない光景ではあるが、大方どこかで拾って暇つぶしに目を通しているのだろう、と予想をつける。しかし彼は一体何を読んでいるのだろう、執筆ゴーストライター・出版芸能人のアイドル本か、ギャンブル攻略テクか、はたまたライトノベルか…にしてはかなり装丁が渋い気もするが…気になってこちらはつげどころではなくなってしまった。

缶を捨てるふりをして、彼に近づく。胸の動機が激しくなる。中腰のまま彼のそばを通り過ぎ、なんとかタイトルを覗き見た。

なんと……澁澤龍彦の「フローラ逍遥」であった…………

澁澤龍彦といえばフランス文学作品の翻訳や「高岳親王航海記」など幻想文学作品などが広く知られているが、僕はこの「フローラ逍遥」が大好きで、美しい挿絵とともに澁澤氏の軽やかだが澁澤氏っぽさを感じられる語り口調が好きでふとしたときに手にとって本を開くことがままある。

なんだか胸が熱くなるというか、無性に嬉しかった。自分は内気なのでしゃべりかけることはなかったが、自分がどんなに最悪の環境におかれても、読書は絶対に続けようと思った。きっと彼には、まるでThe Beatlesの「Fool On The Hill」のように、世界の様相がはっきりと見えている事だろうと思った。ショーペンハウアーは音楽を全ての芸術の到達点と唱えたようであるが、文学は人を選ぶけれども、音楽では絶対に味わえない魅力があるのだ。


それでは、会場でお会いしましょう。


えーじ