2011年7月26日火曜日

ああ、なるほど

なぜ長期間ブログを放置してしまったのかがわかった。
最後の投稿からしばらくして、僕はノートを購入したのだ。これに日々思った事を不定期につらつらと書き、感情吐露の場所として使っていたのだ。以前はここをよくその場所に使っていだが…

今までの投稿をざっと読み返してみると、あまりに個人的な内容が多い。ここはバンドのブログである事を念頭に、今後更新していきたい。

とはいえど、更新ネタがつきたら、また私的感情大爆発させちゃうんだろうけどね。


では。


えーじ

ご無沙汰

どうも、ご無沙汰してます。
いつものブログ、ミクシー、ツイッター等々リアルタイムの情報を提供できる素晴らしい場を全く活用しない私たちです。

兎にも角にも、まずはライブ告知だー!

8/2 (火) @新宿 Nine Spices
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1500yen (adv.)

8/9 (火) @下北沢 ERA
18:00 open / 18:30 start
Ticket : 1800yen (adv.)

以上、2本が決まっております。

前々回あたりのライブからいらっしゃってる方はお気づきかもしれませんが、
歌い手である僕に変化が生じました。
確かに日焼けのせいで念願の黒人ルックには近づいたのではありますが、
そこではありません。

歌い方をちょっと変えてみたのです。

優しい相方や周囲の方々からは僕の苦悩を察してか、ありがたいお褒めの言葉を頂く機会が多いように思います。

まあ百聞は一見にしかずです、その耳でお確かめあれ。
バックトラックもより無機質で不快ながらも別世界への誘いの香りを漂わせてきております。




ここからは、また別の話。


民主政権誕生からもうしばらく経つけど、ようやく岡田幹事長が、選挙時のマニフェストと実際の政権運営における差異を認めたとのことで、なんだか怒りよりも失笑をもらしてしまった同じ日、いつものように仕事の休憩中に散歩に出かけた。

最近つげ義春さんの作品にとことんはまっており、つげさん関連の本を見つけるとついつい買ってしまう。ちょうどその日も散歩中に自主企画機関誌や超マニアックな思想本などを多数扱う本屋に立ち寄った際、つげさんの作品を収録した文庫を購入し、缶コーヒー片手に御苑前にてページをめくっていた。新宿御苑が閉園し、人通りのすくない御苑周辺の路端で読むつげ作品は格別の味わいがある。その日買った本のなかでも一番気に入ったのは、「夜が摑む」という話で、最後数ページの寂寥感は、僕が音楽で表現したい様に非常に近いものが描かれている。「外のふくらみ」という話も気に入った。

すると、そこに腰掛けた時は気づかなかったのだが、そこにはもう一人、僕と同じように本を片手に座り込んだ人がいた。深く帽子をかぶり、分厚いハードカバーの本を一心不乱に読みふけっている。僕は普段読書をする他人にそれほど注意を払うことはないが、このときばかりは気になって仕方がなかった。なぜか。彼の隣には、青いシートにくるめられた大きな荷物があった。彼はスラックスに暗い色のシャツといったなりをしていたが、その様子は薄汚れていた。察するに、彼はホームレスだったのだ。

ホームレスが読書とは、あまり見慣れない光景ではあるが、大方どこかで拾って暇つぶしに目を通しているのだろう、と予想をつける。しかし彼は一体何を読んでいるのだろう、執筆ゴーストライター・出版芸能人のアイドル本か、ギャンブル攻略テクか、はたまたライトノベルか…にしてはかなり装丁が渋い気もするが…気になってこちらはつげどころではなくなってしまった。

缶を捨てるふりをして、彼に近づく。胸の動機が激しくなる。中腰のまま彼のそばを通り過ぎ、なんとかタイトルを覗き見た。

なんと……澁澤龍彦の「フローラ逍遥」であった…………

澁澤龍彦といえばフランス文学作品の翻訳や「高岳親王航海記」など幻想文学作品などが広く知られているが、僕はこの「フローラ逍遥」が大好きで、美しい挿絵とともに澁澤氏の軽やかだが澁澤氏っぽさを感じられる語り口調が好きでふとしたときに手にとって本を開くことがままある。

なんだか胸が熱くなるというか、無性に嬉しかった。自分は内気なのでしゃべりかけることはなかったが、自分がどんなに最悪の環境におかれても、読書は絶対に続けようと思った。きっと彼には、まるでThe Beatlesの「Fool On The Hill」のように、世界の様相がはっきりと見えている事だろうと思った。ショーペンハウアーは音楽を全ての芸術の到達点と唱えたようであるが、文学は人を選ぶけれども、音楽では絶対に味わえない魅力があるのだ。


それでは、会場でお会いしましょう。


えーじ